TOKYO FORWARD 2025 for 世界陸上イベントレポート

9/13(土)~21(日)に開催された東京2025世界陸上。その期間中、「TOKYO FORWARD 2025 for 世界陸上」では国立競技場外構部のステージエリアと都立明治公園のパークエリアで多彩な盛り上げイベントを実施しました。アスリートやアーティストが多数登場したステージプログラムをはじめ、スポーツを体験できるコーナーや東京の魅力紹介、復興支援のためのブースなど、さまざまな“お楽しみコンテンツ”を用意。ここでは、その9日間にわたる会場の様子をレポートします。

TOKYO FORWARD 2025 for 世界陸上が開幕!

世界各地からお客様が来場!会場は大盛況に

34年ぶりの東京での世界陸上が開幕すると、国立競技場の周辺は熱気に包まれ、国内外から集まった多くのお客様で活気づきました。特設ステージで行われるパフォーマンスやトークイベントに耳を傾ける人、明治公園でスポーツ体験に挑戦する家族連れ、キッチンカーで提供される多彩なグルメを味わう人など、それぞれが思い思いの時間を楽しみ、TOKYO FORWARD 2025 for 世界陸上を満喫していました。

アスリートトークショーに大迫傑さんとハリー杉山さんが登場!

世界陸上にも出場経験のある大迫傑さんに、ハリー杉山さんが東京2025世界陸上の注目ポイントなどを質問。大迫さんは「僕が初めて世界陸上に出た2013年と比べると日本陸上のレベルが上がっていて、メダルや入賞を狙える選手がたくさんいる。それは本当にすごいこと」と、日本人選手への期待を語りました。さらに、マラソン選手へのアドバイスとして「なにがあっても焦らないこと。例えば給水ボトルを落としても焦らないような“諦める力”も大切だと思います」と話しました。

青柳美扇さんが圧巻の書道パフォーマンスを披露!

東京2025世界陸上の公式ポスター制作にも協力した書道家の青柳美扇さんが、特設ステージ上で力強く「瞬間」の2文字を書き上げ、観客はその躍動感あるパフォーマンスに魅了されていました。「瞬間」という言葉を選んだ理由として青柳さんは、「アスリートのみなさんがコンマ1秒を競う世界陸上には、まばたきもできない“すごい瞬間”が詰まっているもの。そんな世界陸上の熱量をこの作品から感じてもらえたら嬉しいです」と話しました。

川内優輝さんや観客のみなさんに、清水希容さんが“突き”を指導!

プロランナーの川内優輝さんと空手家の清水希容さんが、森永製菓によるスポンサーステージに登場。これまでの世界大会での思い出や、今回の世界陸上で注目している競技・選手について語りました。川内さんは「サークル出身でまだ若く、大きな可能性を秘めたマラソンの小林香菜選手に期待しています」とコメント。イベントの締めくくりには、清水さんが観客に空手の突きの型をレクチャーし、会場を盛り上げました。

2日目も様々な出演者が続々登場!

福島千里さんがハリー杉山さんとのトークショーで、スタートの秘訣をレクチャー!

世界陸上に4度出場し、女子100mの日本記録保持者でもある福島千里さんに、ハリー杉山さんが大会の見どころや選手たちの調整方法について質問しました。さらに福島さんは、観客に向けて短距離走のスタートのコツを実演しながら解説。「スタートの姿勢をとった際に、前に出した足の膝下をしっかりと倒し、その足に重心を乗せることが大切です。この体勢ができれば、スムーズに走り出せます」とポイントを語ってくれました。

海外でも人気の茂本ヒデキチさんが、墨絵をライブで描きあげる!

墨絵アーティストとして国内外で活躍する茂本ヒデキチさんは、迫力あるライブパフォーマンスを披露しました。「世界陸上に出場する選手への応援の思いを込めた」と語る作品は、走り幅跳、やり投、短距離走の選手をイメージしたもの。茂本さんが「勢いを大切にしている」と話す通り、力強くスピード感溢れる筆致で描き上げられ、完成の瞬間には観客席から大きな拍手と「すごい!」という歓声が聞こえました。

四谷グラッドリの子どもたちのダンスに、会場の空気もホットに!

キッズダンスチーム 四谷グラッドリの小学生たちが、チアダンスやヒップホップダンスを元気いっぱいに披露しました。カラフルな衣装を身にまとい、リズムに合わせて軽快に踊る姿はとても生き生きとしており、客席から自然と手拍子が起こりました。メンバーは「たくさんのお客さんの前で全力で踊れて楽しかった」とコメント。観客もその姿に思わず笑顔を浮かべ、会場全体が温かい雰囲気に包まれました。

「未来の部活動を考えよう」をテーマに、髙平慎士さんと松山直輝さんがトーク!

近畿日本ツーリストによるスポンサーステージでは、同社が提供する「オンライン部活動サポートサービス」について、オリンピアンの髙平慎士さんと東京学芸大学講師の松山直輝さんがトークショーを行いました。松山さんは、部活動の指導者が不足する山間部や離島の中高生に向け、陸上競技のオンライン指導を実践している研究活動を紹介。髙平さんは「オンライン指導によって、子どもたちの選択肢が広がるのは素晴らしいこと」と語り、松山さんは「いずれ『陸上を始めたきっかけはオンライン部活動だった』と語る選手が世界陸上の舞台に立つことを夢見ている」お話しされました。

アーティストのライブやキッズダンスが会場を盛り上げる!

Little Glee Monsterがスペシャルライブで歌声を響かせる!

圧倒的な歌唱力を誇る女性ボーカルグループLittle Glee Monster。満員の特設ステージでスペシャルライブを行いました。力強く伸びやかな歌声が響き渡る迫力のステージに、会場は大熱狂。最後は「21日まで一緒に世界陸上を盛り上げていきましょう」とメンバーが呼びかけ、会場が拍手と歓声に包まれるなかでスペシャルライブは幕を閉じました。

総勢約80名!「Ciel Starチアダンススクール」によるキッズダンス

Ciel Starチアダンススクールの子どもたちは、特設ステージでダンスを披露しました。世界大会での優勝経験を持つ講師からも指導を受けている子どもたちの本格的なチアダンスを、観客が手拍子で応援。「ただかわいいだけでなく、かっこよく、元気いっぱいのダンスを私たちは目指しています」という子どもたちの挨拶どおりの躍動感あふれるパフォーマンスに、会場全体が魅了されました。

来場者が次々と体験!障害の有無に関わらず楽しめるスポーツも

都立明治公園のパークエリアには、気軽にパラスポーツを体験できる「街なかパラスポット」や、聴覚障害のある方のデフスポーツを体験できるブースが設けられました。会場を訪れた多くの方々が興味を示し、子どもたちを中心に積極的に参加。実際に体験した来場者からは「思っていたより難しい」「車いすレースは本当に腕の力が必要だね」といった声が上がり、驚きと共に新たな気づきを得る様子が見られました。

バーチャルサイクリングで自転車レースを疑似体験!

パークエリアでは他にもバーチャルサイクリングを体験できるブースもありました。明治公園周辺がコースに設定され、ゴールはなんと国立競技場。ゴールした体験者は達成感に満ち溢れ、周りからは拍手が沸き起こるなど大いに盛り上がりました。また、体験者の中から抽選で12月7日(日)開催の「レインボーライド2025」の出走権が当たるチャンスもありました。

熱いトークと美しいサックスの音色が彩った大会4日目!

十種競技元日本チャンピオンの武井壮さんから熱いメッセージが!

武井壮さんによるトークショーでは、元・十種競技日本チャンピオンならではの陸上トークが展開されました。日本選手権で優勝した当時の思い出などを振り返りつつ、「世界陸上は、不可能と思われる新記録を自分が打ち立てるのだと、人生のすべてを懸けて鍛え抜いた選手たちが集う場です。その戦いをぜひ目に焼き付けてほしい」と語りました。さらに最後には、「世界陸上の感動を糧に、これからの人生を共に楽しんでいきましょう」と観客へエールを送りました。

あの名曲も演奏!Seras Saxophone Quartetのサクソフォン四重奏

2023年に結成されたばかりでありながら、すでに数々の音楽賞を受賞し注目を集めているサクソフォン四重奏団のSeras Saxophone Quartetが、特設ステージに登場しました。『海の上のピアニスト』の「愛を奏でて」や『サウンド・オブ・ミュージック』の「私のお気に入り」など、多くの人が耳にしたことのある名曲を披露。クラシカルサクソフォンならではの豊かな響きと表現力に、観客は魅了されていました。

東京都の魅力や取り組みを「知る&学ぶ」ためのブースが多数!

都立明治公園のパークエリアでは、緑や生物、多摩・島しょなど東京の自然や環境を学べるブースが並びました。またこどもたちに大人気の「東京こどもタイピングレース」や、被災地の復興PRブースなども登場し、子供も大人も楽しみながら学びや発見を重ねていました。親子で一緒に体験する姿や記念写真を撮る様子も多く見られ、会場全体で温かな交流が生まれていました。

日本が誇るダンスや殺陣パフォーマンスに会場が熱狂!

D.LEAGUEで史上初の完全優勝を果たしたCyberAgent Legitがダンスで魅せる!

世界のダンスコンテスト・バトルで活躍するメンバーが集結し注目を集めるプロダンスチームCyberAgent Legit。D.LEAGUEで史上初の完全優勝を果たした勢いそのままに、圧巻のパフォーマンスを披露。会場を熱気に包みました。最後には「アスリートから感動や勇気をもらうように、私たちもダンスで感動を世界に届けたいと思います」と語ると共に、「一緒に世界陸上を盛り上げましょう!」と力強いメッセージを残しました。

刀屋壱が殺陣パフォーマンスでサムライスピリッツを表現!

サムライ・忍者スタイルでの殺陣パフォーマンスが人気の刀屋壱が、実話を元にしたオリジナルショーの「千姫」を公演。徳川家康の孫であり豊臣秀頼の妻である千姫の、戦乱の世に翻弄されたせつない運命を、BGMや効果音を駆使した現代的な殺陣アクションで演じました。その躍動感と緊張感の溢れるステージに釘付けになり、熱心に写真や動画の撮影を行う国内外からのお客様の姿が数多く見られました。

りくワンが明治公園に登場!

都立明治公園のパークエリアでは、東京2025世界陸上のマスコットであるりくワンが登場し、スポーツ体験や縁日を楽しんでいました。また、パークエリア内の各ブースに立ち寄り、東京都の魅力を一緒にPRしてくれました。

和楽器や新体操の新境地を切り拓くパフォーマンスに大きな歓声が!

AUN J CLASSIC ORCHESTRAが和楽器で洋楽の名曲を演奏!

和太鼓や三味線、箏、尺八、篠笛といった日本の伝統楽器で独自のアンサンブルを奏で、サンマリノやモン・サン・ミッシェル、アンコールワットなどの世界遺産で定期ツアーを行っているAUN J CLASSIC ORCHESTRAが登場。「新世界より」や「カントリーロード」など海外からのお客様にも馴染みの深い名曲を披露。ラストは「万殊の灯りに想いを馳せて」の演奏に合わせて観客も一本締めで参加し、会場全体が一体感と熱気で満たされました。

BLUE TOKYOによる新体操とストリートダンスを融合させたショーも!

元男子新体操選手によって結成され、海外でも高く評価されているパフォーマンス集団のBLUE TOKYOが特設ステージに登場しました。鍛え抜かれた身体能力と柔軟性を活かし、アクロバティックでありながら優雅さも兼ね備えたショーを展開。タオルを使った振り付けで観客も一緒に踊り、会場全体が盛り上がりました。さらに連続でのバク転や跳躍力溢れるジャンプが繰り出されると、観客からは歓声が聞こえました。

日本各地の“食”を堪能できるキッチンカーが明治公園に集結!

期間中ホットドッグやシフォンサンド、メンチカツバーガーといったフードに加え、かき氷やたいやきパフェなどのスイーツ、さらに牛串焼きなどのお酒に合うメニューまで、東京や東北、北陸の食材を使った多彩な“食”が集結。訪れた人々は思い思いに好みのキッチンカーを選び、出来立てを楽しみながら笑顔を見せていました。それぞれのキッチンカーに行列ができるほどの盛況ぶりで、食の魅力で会場を盛り上げていました。

よさこいや和楽器で日本文化の魅力を発信!

東京YOSAKOIチーム 燦-SUN-が観客と共によさこい踊り!

東京よさこいで2連覇の実績を誇る東京YOSAKOIチーム 燦-SUN-が登場し、オリジナル楽曲を含む4曲を披露しました。躍動感溢れる踊りや個性豊かな衣装で、会場はまるでお祭りのようなひとときに。さらにメンバーが振り付けをレクチャーし、「正調よさこい」と「うらじゃ音頭」では観客も一緒に踊って大盛り上がり。海外から訪れたお客様が笑顔でよさこいを楽しむ姿も印象的で、国境を越えた交流の場となりました。

真秀が大人気アニメやあの番組の曲を披露!

伝統と革新を融合させ、動画SNSを通じて世界中から注目を集める和楽器ユニット・真秀(まほら)が、特設ステージに登場しました。尺八や箏、三味線といった日本の伝統楽器で、「紅蓮華」や「情熱大陸」など多くの人に親しまれる人気曲を披露。和楽器の繊細かつ力強い響きが会場に広がり、原曲とは異なる独特の魅力を放つ演奏で観客を楽しませました。

スポーツ体験コーナーからは毎日たくさんの笑い声が!

都立明治公園のパークエリアではやわらかやり投げ、モルック、バーチャルサイクリングやピックルボールなど、多彩なスポーツを体験できるコーナーが登場しました。子どもから高齢者まで幅広い世代が気軽に参加でき、運動が苦手な人も無理なく楽しめる内容でした。この日は平日でしたが大盛況。家族や友人と一緒に挑戦して笑顔になる姿や、初めてのスポーツに夢中になる様子があちこちで見られ、会場全体がなごやかで活気ある雰囲気となっていました。

この日もバラエティ豊かなステージプログラムを展開!

村上幸史さん ✕ 杉谷拳士さんのトークショーで驚きの事実が明らかに!?

2009年ベルリン世界陸上のやり投で銅メダルを獲得した村上幸史さんと、元プロ野球選手の杉谷拳士さんが、息の合った軽妙なトークを繰り広げました。やり投のルールや体の使い方などについて語り合った後、村上さんが杉谷さんに投げ方をレクチャー。さらに村上さんが「私は野球ボールを140メートル遠投できます」と明かすと、杉谷さんは「それはすごい!バッターボックスからバックスクリーンまで届きますよ」と驚いていました。

お台場キッズダンスMEGJAMのパフォーマンスに、みんなが自然と笑顔に!

“できた” “楽しい” “ワクワク”をモットーに活動する、お台場キッズダンスMEGJAM。この日は幅広い年代の子どもたちが特設ステージに登場しました。多彩な楽曲に合わせて次々とダンスを披露し、フィナーレでは出演者全員がステージに勢ぞろい。さらに東京2025世界陸上のマスコットであるりくワンもスペシャルゲストとして参加し、ポルノグラフィティの『ミュージック・アワー』を一緒に踊り、会場を大いに盛り上げました。

日本の民族芸能を発信!松本源之助社中による「江戸の里神楽」

古くから神社のお祝い行事や祈祷で演じられてきた「江戸の里神楽」を継承し、芸術祭大衆芸能部門で大賞受賞の実績を持つ松本源之助社中。特設ステージで、悪魔を払って世を祝う縁起物の「寿獅子舞」を披露しました。威厳ある舞いと調べに観客は静かに見入り、最後に「寿 おめでとうございます」と書かれた紙が掲げられると、会場には大きな拍手と祝福の雰囲気が広がりました。

いよいよ大会最終日!TOKYO FORWARD 2025 for 世界陸上も閉幕へ

オリンピックメダリストの塚原直貴さん&萩野公介さんがトークショー

この日の4×100mリレー決勝を前に、オリンピックの陸上と競泳のリレーでメダルを獲得したお二人が登場し、出場選手の心境やリレー競技ならではの魅力について語り合いました。さらに塚原直貴さんが4×100mリレーのバトンパスの方法や日本チームの強みをわかりやすく解説。萩野公介さんは「努力を重ねたアスリートのパフォーマンスは、美しくかっこいいもの。その姿から新しい一歩を踏み出す勇気をもらえるはず。これからもぜひスポーツを愛し続けてください」と観客へメッセージを送りました。

和楽器の音色が心を打つ!いやさかプロジェクトの祭りパフォーマンス

いやさかプロジェクトは、日本の伝統を受け継ぎながらも新たな表現に挑み続ける舞台芸術プロジェクト。この日のステージでは篠笛、和太鼓、三味線が織り成す神秘的な音色が力強く響き渡り、会場は一気に厳かでありながら華やかな雰囲気に。その迫力に惹かれるように、演奏の途中から特設ステージ前へと足を運び、耳を傾ける海外からのお客様の姿も。まさに、音楽の魅力が言葉や国境を越えて人々を結びつける時間となりました。

最終日まで会場は盛況!たくさんの出会いが生まれた9日間に

TOKYO FORWARD 2025 for 世界陸上も、ついに最終日を迎えました。会期中は、アスリートによるトークショーやアーティストによるパフォーマンスを楽しんでいただくと共に、スポーツの楽しさ、東京や日本文化の魅力などを多くの方々に知っていただく機会となり、連日賑わいを見せました。9日間を通じて国内外から来場されたみなさまと数え切れないほどの出会いが生まれ、会場は最後まで熱気と笑顔に包まれていました。